新年のご挨拶
一般社団法人日本空調衛生工事業協会
会長 長谷川 勉
新年明けましておめでとうございます。
令和2年の年頭に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
昨年は、台風15号、19号等による風水害をはじめ、各地で多くの自然災害が発生いたしました。これらの災害により被災された方々に対しまして、心よりお見舞いと一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
わが国の経済は、米中の通商問題をはじめとする海外経済の動向等に留意する必要はあるものの、国内における雇用・所得環境の改善が続く中、様々な政策の効果もあって、今後も緩やかな回復が続くことが期待されています。
空調衛生工事業界においても、首都圏を中心に概ね堅調に推移していますが、これが地方圏にも広がり、また、東京オリンピック・パラリンピック後においても持続していくよう、官民それぞれの取り組みが期待されるところです。
昨年は、建設キャリアアップシステムの本運用が開始されるとともに、働き方改革関連法及び改正出入国管理法の施行、新・担い手3法の成立など、建設業における担い手の確保に関する各制度が一斉に動き出す年となりました。
建設キャリアアップシステムについては、日空衛として、昨年、全国9支部において会員への説明会を開催するとともに、モデル現場の開設・運用を開始しました。本年も、引き続き、会員への一層の周知・普及に努めるとともに、建設技能者の能力評価基準の作成について関係業界団体と連携して取り組んでまいる所存です。
空調衛生工事業界における働き方改革の推進については、一昨年に策定した「働き方改革の推進に関する行動計画」に基づき、昨年は、パンフレット『週休2日を実現し 長時間労働を是正』を作成し、様々な意見交換会の場などで活用したほか、会員企業における好事例の水平展開、会員企業における社員の残業時間と休日取得についてのフォローアップ調査などを行いました。
建設業は、一つの現場で様々な業種や企業が活動しており、また、発注者やエンドユーザーのご理解も必要であることから、働き方改革は一朝一夕に実現するものではありませんが、新・担い手3法の趣旨も踏まえ、発注時における設計精度の向上や、後工程にしわ寄せを生じさせない施工管理などの基本的な課題も含めて、国土交通省はじめ行政のご指導と発注者の皆様のご理解をいただきながら、関係業界団体とも連携して、着実に取り組みを進めてまいりたいと考えておりますので、皆様のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。
一方、「働き方改革の推進」のためには「生産性の向上」が必要不可欠です。「生産性の向上」のためにはICTの活用、書類の簡素化など様々な取り組みが考えられますが、BIMの推進により、着工時に設計的要件が全て決定されるようになれば、設計図書の精度が飛躍的に向上し、施工時における不要な打合せや調整が激減することによって、当業界の働き方改革にも大きく寄与すると考えられます。このため、昨年日空衛に設置した「BIM推進部会」において内部検討を重ねながら、国土交通省の「建築BIM推進会議」における検討に参画してまいります。
さらに、特定技能外国人の受入れについては、配管等の空調衛生工事関係職種が受入れ対象職種に追加される方向で検討が進められていることを踏まえ、日空衛として(一社)建設技能人材機構に加入することなどを決定したところであり、今後、特定技能外国人を空調衛生工事業界へ適正かつ円滑に受け入れられるよう取り組んでまいる所存です。
空調衛生工事業界は、ステークホルダーとのパートナーシップにより、設備の設計、施工、運転管理から廃棄に至る活動を通じて、省エネ、省CO2を推進し、低・脱炭素社会づくりを目に見える形で先導し、地球環境の保全に貢献することが求められています。
私たちは、パリ協定の本格稼働や、改正建築物省エネ法に基づく省エネ基準適合義務の対象拡大など様々な事業環境の変化を的確に捉え、それぞれの企業がお互いに切磋琢磨して、長年培ってきた省エネ、省CO2に関する技術をさらに磨き、また、これを社会に積極的に発信していくことが空調衛生工事業界の独自性の確立につながるものと確信しております。
昨年中は、副会長、理事、監事、諮問委員をはじめ、会員各社、各団体の皆様のご理解、ご協力を賜り、心から感謝申し上げます。
本年は、第39期の2年目を迎えることになります。日空衛としては、時々の課題に的確に対応するとともに、業界の将来を見据えた活動を進めてまいりたいと考えております。このため、本年も業界の発展のため、会員の皆様と一丸となって取り組んでまいりますので、引き続き、日空衛の活動への会員各位の積極的なご参加、ご協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。
会員の皆様のご健勝とご多幸をご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。
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