新年のご挨拶
一般社団法人日本空調衛生工事業協会
会長 長谷川 勉
新年明けましておめでとうございます。
令和3年の年頭に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
昨年は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、各産業が想定外の打撃を受ける中、建設業界においても、健康のリスクのある中での活動、あるいは思うような活動ができないといった我慢を強いられるなど、様々な難しい状況を経験しました。
今なお、その状況は変わっておらず、今後も「新たな日常」に向けて、これまでとは異なる対応を続けていく必要があると考えています。
わが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあります。空調衛生工事業界を取り巻く事業環境もこれまでとは一変し、今後についても不透明さを一層増している状況です。一方で、現在の施工余力は十分であるものの、建設業の将来を見据えたとき、構造的な担い手不足という状況は変わっておりません。
こうした中、建設業の中長期的な担い手の確保の観点から、本年も引き続き、社会保険への加入推進、建設キャリアアップシステムへの登録・利用の推進、生産性の向上と働き方改革の推進などへの取り組みを国土交通省、関係団体等と連携して進めてまいります。
建設キャリアアップシステムについては、昨年、登録・利用に係る料金の改定や利用促進に関する申合せなどが行われました。日空衛としては、要請を受けて追加出捐に応じるとともに、建設キャリアアップシステムのメリットの明確化、使いやすいシステムへの改善等について国土交通省等へ要請したところであります。本年も引き続き、会員への周知・普及に努めるとともに、会員の加入状況等を踏まえ、今後の取り組み目標の設定などについて検討していくこととしております。
働き方改革の推進に関しては、昨年、中央建設業審議会から「工期に関する基準」が勧告されたほか、秋に施行された改正建設業法には、著しく短い工期の禁止や監理技術者の専任義務の緩和などの規定が盛り込まれています。
日空衛としては、引き続き、「働き方改革の推進に関する行動計画」を踏まえ、
パンフレットの活用、好事例の普及、フォローアップ調査の実施等を通じて、長時間労働の是正に向けた取り組みを進めてまいります。
働き方改革の推進に当たっては、生産性向上などの自助努力とともに発注者の理解が不可欠です。生産性の向上に向けては、BIMなど情報通信技術や施工の省力化技術などの一層の普及に努めてまいります。また、設計と施工の関係、一つの工事現場に様々な業種、企業が活動していることを踏まえますと、発注者にとどまらず、関係する企業・機関との連携も大変重要です。建設関係の各機関・団体とも連携して建設現場の労働環境の改善に努め、将来を担う若者の入職、定着に向けた取り組みを引き続き進めていきたいと考えています。
空調衛生工事業界は、ステークホルダーとのパートナーシップにより、設備の設計、施工、運転管理から廃棄に至る活動を通じて、省エネ、省CO2を推進し、脱炭素社会づくりを目に見える形で先導し、地球環境の保全に貢献することが求められています。
また、現在、新型コロナウイルス感染症防止対策で換気や除菌の徹底が叫ばれていますが、この分野は会員企業が長年蓄積してきた技術やノウハウが活かせる分野だと考えています。
政府においては、菅総理が、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言されました。
私たちは、パリ協定の本格稼働をはじめ、様々な事業環境の変化を的確に捉え、それぞれの企業がお互いに切磋琢磨して、長年培ってきた省エネ、省CO2に関する技術をさらに磨き、また、これを社会に積極的に発信していくことが空調衛生工事業界の独自性の確立につながるものと確信しております。
昨年中は、副会長、理事、監事、諮問委員をはじめ、会員各社・各団体の皆様のご理解、ご協力を賜り、心から感謝申し上げます。
本年は、第40期を迎えることになります。日空衛としては、時々の課題に的確に対応するとともに、業界の将来を見据えた活動を進めてまいりたいと考えております。このため、本年も業界の発展のため、会員の皆様と一丸となって取り組んでまいりますので、引き続き、日空衛の活動への会員各位の積極的なご参加、ご協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。
会員の皆様のご健勝とご多幸をご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。
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