新年のご挨拶
一般社団法人日本空調衛生工事業協会
会長 長谷川 勉
新年明けましておめでとうございます。
令和4年の年頭に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げます。
昨年は、新型コロナウイルス感染症も二年目を迎え、夏には非常事態宣言が発令される中、無観客という異例な形ながら、1年延期された東京オリンピック、パラリンピックが開催されました。いろいろ課題はありましたが、過去最多のメダルを獲得した日本人選手の活躍に改めてエールを送りたいと思います。また、22には、北京で冬の大会の開催が予定されています。新たな変異株が確認されるなど新型コロナウイルス感染拡大がおさまる気配がない上、中国の人権問題等で外交的ボイコットが取りざたされておりますが、選手の皆さんには日頃の練習成果を十分に発揮していただきたいと思います。
さて、我が国の経済は、昨年秋以降、新型コロナウイルス感染者が減少傾向で推移したこともあり、徐々に様々な制限が緩和され、今年こそは、経済再生に向けて着実な一歩を踏み出したいところですが、諸外国の状況を見ると、新型コロナについては、まだまだ予断を許さない状況です。加えて、半導体不足、原油の高騰、国際物流の停滞、円安等の課題もあります。建設業界は比較的新型コロナウイルスの影響が少なかったものの、経済の先行きは不透明感を増しています。
こうした中、建設業の担い手確保の観点から、本年も引き続き、生産性向上と働き方改革の推進、建設キャリアップシステムの利用拡大、建設技能者の賃金上昇などについて、国土交通省、関係団体等と連携して取り組んでまいります。
働き方改革については、昨年度のアンケート調査では、会員の皆様の努力が実り、残業時間、休日数とも改善が見られました。本年も2年後に迫った改正労働基準法の建設業への適用に向け、この動きを加速化してまいります。
働き方改革の推進に当たっては、生産性の向上が不可欠です。このため、ICTの活用、施工の省力化技術の普及とともに、設計精度の向上が期待できるBIMの普及拡大についても取り組んでまいります。
建設キャリアップシステムについては、会員の皆様のご協力もあって、現在は概ね順調に稼働しておりますが、今後は、中小建設業への普及、現場利用の拡大等の課題とともに、将来的なシステム更新に向けた検討も進めていく必要があります。本年は、昨年に引き続き日空衛としての取組目標を設定することとしておりますので、会員の皆様には目標達成に向け、ご協力をお願いします。
建設技能者の賃金については、昨年は、設計労務単価と賃金上昇との好循環を実現するため、2%以上の上昇を目指してまいりました。今年は、岸田総理の3%を超える賃上げの期待に対し、経団連の会長もそれに呼応する形で、春闘でのベースアップに前向きな姿勢との報道もあり、設計労務単価での更なる取り組みに期待したいと思います。
また、昨年11月には、COP26が開催され、各国の利害が錯綜する中、国際社会が一体となって2050年までのカーボンニュートラル(CN)を目指すとはならなかったものの、CNに向けて動き出しました。空調衛生工事業界は、予てより、脱炭素社会の実現に先導的役割を果たしてきたと自負しておりますが、その期待に応えられるよう今年は新たな「環境行動計画」と策定し、取り組みを一歩でも二歩でも先に進めたいと考えております。
最後に、昨年中は、副会長、理事、監事、諮問委員をはじめ、会員各社、各団体の皆様のご理解、ご協力を賜り心から感謝申し上げます。
本年は、第40期の2年目を迎えることとなります。日空衛としては、時々の課題に的確に対応するとともに、業界の将来を見据えた活動を推進してまいりたいと考えております。このため、本年も業界の発展のため、会員の皆様と一丸となって取り組んでまいりますので、引き続き、日空衛の活動への会員各位の積極的なご参加、ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。
会員の皆様のご健勝とご多幸をご祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。
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